2009年 05月 22日
おまけに付いてくるレンズです。ですのでほとんどそういったものの状態は悪いものです。本個体も例外にもれず汚れとカビに、それから前玉表面にクモリがあります。まあそれでも絞り羽根は問題なくヘリコイドも順調に動作するので、内部の清掃をすることにしました。 では分解になりす。まずはマウントリングを外します。ビス1本ありますので、これを外します。この中にスプリングとスチールボールがありますので忘れずに確保します。飛ぶことはないと思いますが注意して作業しましょう。 尚、今回の分解では触りませんが、他にもスプリングやスチールボールがありますので参考までに申し上げておきます。1つはA-M切り替えリングにスプリングとスチールボール、もう1つは絞りリングにクリック感を実現するためのスチールボールです。深層まで分解する場合、同様に無くさないよいに注意して行いましょう。→最後に画像で補足しておきました。 マウントリングを外し、遮光カバーを外します。遮光カバーはビス3本で固定されています。 レンズユニットとヘリコイドユニットを分離します。画像の下のスリ割りリングで固定されていますので、これを工具で外します。 ヘリコイドユニットの中ですが、外観の汚れているものは、この中も汚れていると思いますので掃除しておきます。 距離指標リングはビス3本で固定されています。距離指標リングを外して組み立てて見えない部分もきれいに清掃しておきましょう。 レンズユニットから後玉系を取り出します。①のカバーは緩み止めされていますので、溶剤で溶かしてからゆるめます。くれぐれもつけ過ぎに注意しましょう。それから④のレンズは貼り合わせレンズです。取り出しはレンズサッカーや吸盤を使います。 前玉系を分解します。銘板リング、フィルター枠を外すと前玉ユニットが取り出せます。銘板リングと前玉ユニットはゴムアダプタを当ててまわします。前玉ユニットにカニ目穴がありますが、これに工具を差し込んで行っても構いませんが、空振りしてレンズを損傷しないよう注意が必要になります。やはりゴムアダプタが安全でしょう。ちなみにこの個体はカニ目穴に工具を差し込んだ形跡がありました。まあきつい場合は工具の出番ですね。 前玉を外します。押さえリングをこれもゴムアダプタを使って外します。カニ目穴もありますが、さらにレンズに近いのでゴムアダプタがよいでしょう。ユニットに残っているレンズの内側は特に汚れがないので取り出しませんでした。 取り出したレンズや各部品はそれぞれ丁寧にクリーニングし組み立てます。レンズは裏表とサイドの部分も清掃しておきましょう。また墨付けされていたり、貼り合わせレンズの場合もあるので、この場合は清掃はしないか、クリーニング液をつけないで軽く拭う程度にします。 絞りには問題なしですので、このまま逆順に組み立てて完成です。特に難しいレンズではありません。構造的にも他のレンズと同じ部分も多いので、分解修理の練習には持ってこいのレンズです。 >>補足<< スチールボールのある部分を画像で補足しておきます。画像の中のコメントをご覧ください。 それから絞り連動金具のあるベースは4本のビスで固定されていますが、うち1本のビスの頭が赤くペイントされています。他のビスと比べても特にピッチや長さに違いはないので、組み立て時、どこにねじ込んでも問題ないです。気になる場合は元の位置を覚えておきましょう。
by fllenswaku2ii
| 2009-05-22 14:00
| Lens Repair
|
Comments(2)
| OhBeHello
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karts2 at 2009-05-22 22:06
こんばんは
下の菜の花、逆光が良いですね。この時期、光がやわらかいのが良いですね。 50mmf1.8は私の手元にもありf1.4と並びよく使うレンズなんで、メンテナンスの勉強になります。上の中のの注意でカニ目で空振りしないように注意って書かれてましたが・・・慌てて駄目にしたことあります。出来るだけレンズ周りには金属性の工具は近づけたくないですね。
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OhBeHello
at 2009-05-22 23:13
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karts2さん、こんばんは。とうとう関東でも例のインフルがでました。結局娘の修学旅行は10月に延期となりました。さあ果たして10月に治まっているでしょうか。
先日撮影した菜の花です。まだ咲いているんですね。いっしょにスイセンも咲いています。21世紀の森という場所で標高も1000mくらいですので季節も遅く進んでいます。PELLIXはミラーの影響で逆光の条件はフレアが出やすいようです。でもそれがかえってよい結果になったのが菜の花の写真でしょうかね。 私も過去におもいっきりレンズに傷をつけたり、カニ目穴をダメにしたり、さらには工具の先端を折ったこともあります(苦笑)。一応そういった苦い経験から最近は先にゴムアダプタで挑戦して、ダメなら工具という順番でやっています。このレンズのようにカニ目があってもゴムアダプタで緩めることができます。レンズ守れ!ゴム優先でカニ目に傷もなし。交通安全標語みたい(笑)。 |
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