2009年 04月 25日
Canon FT QL シャッター修理
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通常はシャッターの先幕と後幕には重なりがあって隙間はないはずなのですが、この個体は何らかの原因で隙間が出来てしまっています。動作チェックをしてみると後幕のスタート位置はOKで先幕の位置がNGのようですので、少しだけ分解して先幕の位置を修正することにします(各画像は組立時に撮影したものです。ご容赦ください)。

なお前提条件として、シャッターを巻き上げチャージし、シャッタースピードはX、ISOは100の状態にしてから作業を行ってください。

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画像のギアを外します。これはシャッターダイアルと露出計をリンクさせるためギアですね。ビス1本を外すだけで取り外せます。

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画像の矢印のビスと部品を外します。各所緩み止めされていますが、そのまま簡単に緩みます。組み立て時は同じ箇所を緩み止めしておきます。

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画像のようになりますので矢印の部品を取り外します。組み立て時は画像と同じになるように取り付けます。スローガバナーとのリンク部分も重要ですので参考にしてください。

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組み立てする時、この画像のようになっていないといけません。まあそう難しくはありません。

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画像の部分(軸を支えている部分)のビス2か所を外してから、残りの1か所を緩めます。

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するとギアが外れて先幕が一気に解放されます。

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今度は後幕の金具と重なる位置までギアを回して固定します。

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画像のようになっていればOKです。ちなみに画像では先幕と後幕が平行になっていませんね。これは元々そうだったのかよく分かりません。とりあえずそのままにしておきます。

では組み立ててテンションを調整しながらシャッターをチェックしてみます。チェックはパソコンCRTモニターでの簡易チェックです。

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上画像は高速側(1/1000s、1/500s、1/250s、1/125s、1/60s)をチェックしたものです。それぞれ良い調子ですが1/60sがスリット幅が相対的におかしい感じがします。単純に1/125sの倍はあってよいものなのでしょうが、少し幅が足りなそうです。露出的にはアンダーになるということですね。まあオーバーよりは良いでしょうか。あとは先幕と後幕が平行になっていないことが原因でスリットの上下の幅に違いがあります。結果はフィルムの上下で露出に違いがでてしまいますが、基本的にはネガを使うつもりなので、これで良しとしておきます。

追記(2017/10/06)。とうとうCRTモニターは処分(リサイクル回収)しました。



by fllenswaku2ii | 2009-04-25 02:00 | FT QL Repair | Comments(0) | OhBeHello


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